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門波蹴散らせていかなご船戻る みのる


今年は2月26日に、兵庫漁協のいかなご漁が解禁になった。

ここ二年ほど極端な不漁が続き、解禁日も3月7日と例年より1週間以上遅かったけれど やっと回復したのかと喜んだ。ところがたまたま昨日、明石漁港の糶を吟行したので漁師さんに聞いてみたら、解禁日は豊漁であったけれど二日目には落ち込んで、糶り値も初日より高騰しているという。

関西エリアでは、この時期になるとどの家庭でも旬のいかなごを炊いて、地方に住む家族や親しい友人たちにプレゼントする…という昔ながらの習慣があるけれど、昨今では、1㎏4,000円というような高値がつくようになり、不本意ながら断念する人も増えている。地球温暖化のせいなのかそれとも乱獲の影響なのかはわからないけれど、なんとかならないものかと気をもむ。

吟行で明石海峡大橋の壮観な景色を眺めていると、その昔、地域の人達に親しまれ風物詩でもあった、たこフェリーの勇姿を思い出すが、壮観なイカナゴ漁の船団の姿さえもそのうちに消えてしまうのでないかと想像すると悲しくなる。

時代の変化だから仕方がないといわれればそうかもしれないけれど、長い年月を経て育まれてきた文化や歴史は、お金では買うことが出来ない貴重な財産である。そんな大切なものを安易な打算で簡単に壊してしまう昨今の世相や政治はほんとうに悲しいと思う。

商魂主義、ウケ狙いの目新しさを求める文芸界においても、同じことが言えるかもしれないけれど、温故知新のこころを忘れてはならないと思う。